specht’s blog

主に漫画の感想を

BEASTERS(1)~(6)/私の少年(1)~(4)

 けもフレズートピアが一時期ブームだったので「これは次は獣が来るか?」と思ったが、意外と流行らなかった。獣系は海外では人気が高いと聞くが日本ではあまり受け入れられないのかもしれない。見たところ男性向けよりも女性向けの方が獣受け入れの土壌はありそうに思う(マニア向けではなくて広くブームになる可能性という意味で)。

「BEASTERS(1)〜(6)」板垣巴留
以前チャンピオンに連載されていたのを1話だけ読んだことがあり、そのときは説教臭さというか理想論が鼻についてそれ以上読むのをやめたのだが、どうもたまたま読んだ回が悪かったらしい。今回一話から刊行されている分を全部読むと、以前読んだ回も含め普通に面白かった。ハルさんはなかなか少年誌で見かけないような斬新なキャラだがきちんとヒロインとして成立しているのが面白い。レゴシの態度が一貫してハルさんに対してだけ特別なのが大きいように思う。もしこれが人間のキャラなら叩く人がいそうだが、動物なのでそこまで入れ込まないというのもあるかもしれない。また、全キャラいい面悪い面がしっかり描かれており動物だけれども人間臭いドラマが展開されている。こういうのは女性に流行りそうな気がするが、この漫画がすごいオトコ編の方にランクインしているのが個人的に不思議だ。掲載誌のせいだろうか。まあ多分男女どちらが読んでも面白いと思う。

私の少年(1)〜(4)」
人に勧められて読んだ。いかにも女性向けな感じのするやたらと背景が白くて心の声が多い系の漫画は苦手で敬遠していたのだが、これは絵も話もとても丁寧だった。(美)少年とアラサーOLが互いに抱く感情は恋というより母性愛がベースで、二人の交流を見ていると読者のこちらもとても心温まる。まさに"優しい世界"という言葉がぴったりな二人の関係に対して対照的なほど冷たい世間、思わず応援せずにはいられない。4巻で真修も中学生となり、すこーしばかり恋の割合が増えてくる。果たしてどこにたどり着くのか楽しみだ。